日本には独自文化や社会的な暗黙のルールが存在します。これらの暗黙のルールは、社会的な調和や礼儀正しさを維持し、日本特有の一般的な暗黙のルールです。
静かさと控えめさ
日本社会では、静かさと控えめさが重要視されます。
日本人の性格的特徴は、内向的・礼儀正しさ、謙虚さ、他者を尊重する傾向、自己主張が少ないというものが挙げられます。
日本では、電車の中で大きな声でしゃべったり、電話をしたりすることを遠慮するのがマナーとされていますが、外国人が日本を訪れた時、その静けさに驚く人もかなり多いようですが、この暗黙のルールをしっかり守る律儀さと、相手に迷惑をかけない思いやる姿勢に感心するという声をよく聞きます。
また、日本人なら一度は耳にしたことのある「出る杭は打たれる」という言葉。
目立つと妬みや反感を買って叩かれるという意味です。日本社会はまさにこの言葉を体現していますから、日本人はできるだけ目立たずに、穏便に過ごしたいと考えざるを得ません。
頭を下げてお辞儀をする
お辞儀が中国から日本へ伝わったのは、仏教が広まった500年から800年頃の事といわれています。当初は相手へ頭を下げて首を見せる姿勢を取ることで、攻撃の意志や敵意がないこと表していたとされています。
お辞儀をする習慣は、日本だけでなく中国や韓国などアジア諸国のほか、欧米などでも見られるそうです。ただし、その他の国に比べると、日本人にとっての挨拶は「礼儀」や「ねぎらい」といった側面が強い傾向にあるようです。
頭を下げるという動作には、「私はあなたの敵ではありません」や「私はあなたを尊重します」という意味が込められています。 礼儀を重んじる日本人は、相手に対して頭を下げることで、意思表示をしているのです。
ラッシュ時はリュックを前かけ
「車内でのリュックサックは、前に抱えるか網棚の上に置くように」と呼びかけていた。
前抱えだと、リュックの口が前側になるので、盗難予防にもなりますし、リュックの上に手が置けるので、電車などでスマホの操作などもやりやすい、という利点があります。
しかし5年で文言が変わった。キャンペーンを取りまとめる関西鉄道協会に話によると、「過去は前に抱えてという表現も使っていたが、身体的な理由など、何かしらそれができない人がおり、前に抱えられない人はどうしたらいいかと指摘されることがあった」という。
「前に抱えることばかり注目されるが、まずは背負っている荷物を肩からいったん外して手に持つ、網棚に乗せる」ことを訴えることにしたという。
上座・下座がある
「上座」は目上の人が座り、部屋の入り口からもっとも離れた席となります。
「下座」は目下の人が座り、入り口にもっとも近い席となります。
立場によって席が決まるという文化がまったくない国もあるので、日本のマナーを知らずに適当に席につくといったことにならないよう、注意が必要です。
お客様や上司、目上の相手に対する敬意やおもてなしの心を示す考え方のひとつです。 「上座」は、お客様や目上の人が座る席、「下座」は、お客様をおもてなしする立場の人が座る席となります。 一般的に室内であれば、ドアや入口から一番奥に当たる場所が上座、逆にドアや入口に近い場所が下座です。
人の家いく時は帽子をとる
誰も何も注意もしないが、他人の家で帽子を脱がなかったり、挨拶でも帽子を被ったまま会釈は『礼儀がない人』と思われます。
男性の場合、玄関、室内、エレベーター内では帽子をとるのが基本で、人と挨拶する時や女性と話をする時も帽子をとるのが礼儀とされ、女性の帽子は髪飾りと見なされているため、麦わら帽子の類を除けば 「脱がなくても良い」というのが西洋式の正式なマナーのようです。
しかしながら日本の礼儀では、人様のお宅に伺ったときは、「玄関に入る前にコート、帽子、マフラーなどはとるもの」とされているため、混乱が生じる訳です。日本は帽子に関するマナーが一般に浸透していないようなので、周囲の様子を察して対応することが必要かもしれません。
温泉・銭湯では湯船にタオルを入れてはならない
湯船(お湯)を汚さないためです。
湯船にタオルを浸けたり、巻いたまま入浴すると、タオルに付着している垢や石鹸のカス、ホコリによって、湯船を汚してしまいます。
お風呂場に入ったらまずは身体にお湯をかけ、埃や汚れを落としましょう。かけ湯をしないで浴槽に入るとお湯が汚れてしまう原因になります。また、いきなり熱いお湯に浸かって身体を驚かせないためにも、まずかけ湯を。
また温泉はプールでは無いため、飛び込みや泳ぐなどの行為も禁止されています。
湯船に髪の毛が浸かったり落ちていたりすると、フケやほこりなどが湯船に落ちて不衛生になります。そのため、髪の毛は湯船に浸からないよう髪の長い人は、ゴムなどで結ぶか、タオルキャップをかぶるなどして、髪が湯に入らないように気をつけてください。
最後に、使った桶や椅子は、使い終わったら必ず新しいお湯をかけ、泡を完全に洗い流して綺麗にしてから元の場所に戻す。泡が残っていたり無造作に置いてしまうと次に使う人が気持ちよく使うことが出来ませんので気をつけて欲しいですね。
結婚式では白を着てはならない
結婚式では白は花嫁の色で、他の人は白は遠慮しなければいけない暗黙のルール。
白という色は、「清楚」「純粋」「純潔」などのイメージから、“あなたの色に染まります”という意味を持っています。
そのため白い衣装は花嫁の特権カラーなので、女性ゲストが白色のお呼ばれ服を着るのはタブーです。最近ではバイカラーのワンピースも多くありますが、基本的にゲストは着席している時間が長いので、下半身が色ものでも上半身が白系の場合は白系以外のボレロやショールを羽織るようにされるといいと思います。
<豆知識>
日本人は言葉の裏に隠された意味や、その場の空気を読んでコミュニケーションを取る独特の文化があります。
「暗黙の了解」や「本音と建前」といった言葉があるように、真の気持ちをダイレクトに口に出さずとも相手の本音を読み取り、意思疎通をはかる場面が多くあるのです。
「思ったことは直接言葉に出す」といった傾向が強い欧米文化をもつ人の中では、日本人とのコミュニケーションに戸惑う人も多くいると思います。
なかなか本音を言わない日本人は「全然怒らなくてやさしい」「本当の気持ちがわからず冷たい」といったように、よくも悪くもさまざまな印象をもたれるようです。
日本人はとにかく”和”を大切にします!
その言葉にも象徴されているように、日本人は”和”、つまり「規律・調和」を大切にしているため、美しい自然や歴史・伝統文化、日本食などは高く評価されています。 日本人に対しては礼儀正しいというイメージが多く、日本製品も圧倒的な信頼感が得られています。
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