お土産

伊勢名物餅の魅力!

伊勢名物餅

今も変わらず多くの方が参拝に来られる伊勢神宮。

そして参拝後、とても賑わっている「おかげ横丁」で楽しむ♪

名前の由来でもある「お陰参り(おかげまいり)」は、江戸時代におこった群衆による伊勢神宮参拝のことです。

その語源は、天照大御神の「おかげ様」で参拝を果たせるの意味であったり、「おかげ様」で平穏であることへの感謝であったり、長い旅の道中様々な人の「おかげ様」で参拝を果たせた為など諸説ある庶民に大人気のあこがれの旅だったそうです。

そんな参拝客のお腹を満たすため参宮街道沿い(おかげ横丁)に発展し、さまざまなお土産が売られるようになりました。その中でも「伊勢名物餅」がたくさん売られるようになり、その餅と「餡(あん)」が美味しすぎてお参りに行ったときは買って帰られている様です。

なぜ餅文化が発達したのか?

桑名から伊勢に至る参宮街道には、餅街道という異名があります。伊勢神宮に至るお伊勢参りへの参拝道に沿うようにして、餅文化が発達して行きました。当時の旅人にとっては、「一生に一度のお伊勢参り」であり、当時の贅沢品である餅を食したといいます。また、お伊勢参りの旅路にあった人々にとって、腹持ちがよく貴重なエネルギー源となる餅が好んで食べられたともいわれています。お伊勢参りの旅人を支える食文化として、多くの餅が発展して行き、三重県各所でいまも多くの人に好まれています。

今回は伊勢市に絞って個人的にお気に入りのお餅を紹介させて頂きます。

①赤福餅

全国でも知名度が高い伊勢名物「赤福」

赤福餅はもちろん、赤福ぜんざいや赤福氷、朔日餅、白餅黒餅などの商品、現在の赤福に至るまでの歴史などを詳しくご紹介。

赤福本店の建物は明治以来140年余り。「赤子のような、いつわりのないまごころを持って自分や他人の幸せを喜ぶ」という意味があるとされる「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から「赤福」と名付けたそうです。

伊勢らしい切妻屋根は間口を広げるために高くし、正面に掲げた横書きの大きな看板には金色で赤福の二文字。妻入りの軒先にかかる海老茶色ののれんをくぐると、朱塗りのかまどから湯気が立ち昇っています。

赤福餅の形といえば、とても特徴的。実は、伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどっていて、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しています。店内では餅入れさんと呼ぶ女性職人が繊細な指先で、赤福餅の三筋の清流を一つ一つ真心こめて形づくります。

創業以来300年以上の歴史がありますが、赤福餅の形は創業当時と変わらないそうです。

②太閤出世餅

小豆ともち米のもつ天然の旨味を十分に引き出し、 一つひとつを手焼きすることで、
最良の風味を味わっていただけるよう努めております。
お餅ひとつひとつを個包装することで、
衛生面に万全をつくし、更に季節をつうじて酸素を通さない
素材の袋に脱酸素剤と共にお餠を
包装することで酸化を防いでおります。

豊臣秀吉がたびたび伊勢に訪れ「美味也。」と好んで食べていたことから、名付けられたといわれている「太閤出世餅」。ほんのりと焼き目のついたお餅につぶ餡が入った素朴な焼き餅は、長年、伊勢神宮 内宮のお膝元で旅人たちの憩いとなっています。

やわらかいお餅にの中に、上品な甘さに炊き上げられたたっぷりのつぶ餡

ひょうたんの置物が飾られていたり、縁台の上から吊り下げられていたり、よく見ると、かまどもひょうたんの形をしていました!
太閤出世餅と豊臣秀吉との関係の深さが伝わってきます

太閤出世餅は、毎日、店舗の奥にある工房で職人さんたちの手によって作られています。
蒸した餅米をつき、独自の味付けで炊き上げた北海道十勝産小豆と合わせたら、ひとつひとつヘラで返しながら手焼きするという昔ながらの製法!

トースターでもいいですが、フライパンなどで弱火で炙って食べるのが一番おいしいです

③へんば餅

「美味しく作って安く売れ」ご先祖さまより受け継がれた思いはただそれひとつだけ。
へんば餅は、安永四年の創業時からその素朴な味を守り続けているとてもシンプルな餅菓子です。

伊勢名物のひとつ、へんば餅を販売する老舗和菓子店「へんばや商店」。江戸時代に創業してから約200年、当時はお伊勢参りに訪れた人々の憩いの場として、今では地元民や観光客にも広く愛され続けています。

食べてみると、皮はもっちりと柔らかく、餡は優しくて甘すぎないさらっとしたこし餡。ひとつ食べると、ついついもうひとつ手を伸ばしてしまうクセになるおいしさです。

へんば餅の生地は、実は餅米ではなく、団子などに使われる上新粉が使われています。そのため、あのへんば餅特有のコシのある食感が生まれるのだとか。

「へんば」の名前の由来。

今から200年ほど前(安永四年)に参宮街道、宮川のほとりで初めた茶店に、当時馬に乗ってお伊勢参りに訪れた人々が、宮川の手前にあるこのお店で一息つき、馬を返してから参拝したことから、いつしかへんば(返馬)餅と名づけられたそう。

④二軒茶屋餅

赤福と並び、伊勢に代々伝わる和菓子。天正年間(1575年)創業の二軒茶屋餅、大正12年(1923年)創業の味噌・醤油の醸造業、そして平成9年(1997年)創業の伊勢角屋麦酒の3部門から成り立っています。

二軒茶屋餅はこし餡を薄い餅皮で包んで、きな粉をまぶした素朴な餅です。

もち米を水でひたして蒸し、臼で充分についた昔ながらの生餅はなめらかで柔らかな歯ごたえ。時間を置くと硬くなるのが欠点ですが餅本来のおいしさがあります。貫く「生餅」への思いが伝わるはずです。

上品な甘さのこし餡と、香ばしいきな粉

あくまで“生餅”の、昔ながらの風情を貫く「二軒茶屋餅」です。とても美味しいです。

番外編:伊勢 虎屋ういろ

おはらい町にある老舗の「虎屋ういろ」屋さん。知る人ぞ知るういろ屋さんです。

ショーケースには定番品から季節限定品まで色とりどりのういろが並んでいて、どれを買おうか迷ってしまうほどです。沢山購入したいのですが、保存料不使用の生ういろだけに消費期限は購入日の翌日まで。どれも美味しいので悩みます。

もちもちとした弾力感と、ほどよい上品な甘さで何とも言えない美味しさです。

期間限定であちこち出店しています。HPの催事計画日程表を参考に。賞味期限が短いから近くに来た時は嬉しいです。

<豆知識>

三重に根付くあんこ文化。

徹底した原材料へのこだわりや、昔から伝わるあんの味を守り続けているという理由があるようです。最近では、皮と実を分けるという手間暇をかけず、皮ごと粉砕しパウダー状にして、こしあんの中に入れているのが一般的な製法だとか・・・。

現在は和菓子業界でも「甘さ控えめ」がトレンドとなり、多くの和菓子店や製あん所が、競ってその流れに乗ったようです。

しかしあるお店では「伝統の味を曲げない」「手間暇をかける」をモットーに、昔ながらのやり方で味を出すと決め、本物が好きで今でもずっと貫いているお店。嬉しいですね。応援したくなります。